余すところなく力を出し切れ!

 今日は二十四節気の「清明(せいめい)」です。万物が清らかで生き生きとした様子を表した「清浄明潔」という言葉を訳した季語。花が咲き、蝶が舞い、空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹く頃だそうです。それにしても昨日は朝から雨が降り続き、夕方からは時季外れではありますが梅雨末期のような激しい雨に、西日本豪雨を思い起こし、怖さを覚えました。また台湾の北部でマグニチュード7.2、最大震度6強の地震が発生し、大きな被害がでています。豪雨や地震など自然災害への備えを怠ってはいけません。

 「ワンチーム&ワンハート」

 今年度のうららかな風のスローガンです。一つのチームであるためには、みんなが心を通わせる必要があると感じたからです。スローガンを説いたばかりですが、今日、他者を口撃してしまうという個性が表出した利用者様がおられました。彼女の個性はこれまでも度々姿を現し、繰り返し繰り返し話をしてきました。そして、その都度、彼女は懺悔の手紙を書いてきてくれました。その手紙は何十通になったでしょうか。どうしても同じ轍を踏んでしまうのです。これは克服しがたい彼女の個性です。

 過去に勤めていた事業所では、彼女の個性が原因で職場内の関係性が悪化、それがために彼女は職場を追われました。それは一か所ではありません。だから彼女の強すぎる個性を抑えなければなりません。

 今日も彼女と話をしました。すると涙を流されました。彼女の涙は、私へのヘルプマーク。これは彼女の常とう手段。心を鬼にして毅然とした態度で向き合わなければなりません。頭を冷やしてもらうため、今日の所はフォローせず別れました。恐らく今ごろは今日のことを振り返って、一所懸命に手紙を書いていることでしょう。このやり取りもあり、彼女の個性が何とか抑えられているようにも感じます。明日は清々しい顔であいさつが出来たらうれしいです。

 TVドラマ「スクール・ウォーズ」主人公のモデルにもなった山口良治先生。ラグビー日本代表として9年にわたり活躍した後、指導者として当時無名だった伏見工業高校ラグビー部を全国有数の強豪校へと育て上げます。日本ラグビー界をけん引した故・平尾誠二氏や大八木淳史氏などを指導されてきました。「ミスター・ラグビー」こと平尾氏は恩師から受けた指導をこう振り返っています。

 伏見工業高校3年の頃にはすごく強いチームになっていて、どことやっても勝っていました。前半で点差が4、50点開いたりするので、つい手を抜いたり、気を抜いたりするんですが、それでも余裕で勝ってしまう。すると山口先生は、ハーフタイムの時にえらい怒るわけですよ。「なめてんのか!」と。そしてこんな話をよくされたんです。

人間の力は、全部出し切らないと増えない。だから、余すことなく使わなければいけないのだ。いま10ある力を全部出し切ったら、10.001ぐらいになる。次の試合でその10.001を全部出したら10.002というふうに力が増えていく。』

 その精神は、平尾氏が進んだ同志社大学、神戸製鋼、そして日本代表に繋がっていきました―――。