私を忘れないで‥

 3月から献立を少しリニューアル。特別メニューの販売日を増やしたり、準定番メニューを拡充したりと皆さまによりご満足いただけるよう見直しを行いました。ぜひご意見やご感想をお寄せください。

 
 今日2月29日の誕生日の花は「勿忘草(わすれなぐさ)」。その花言葉は、『私を忘れないで』。この花言葉にちなんで、ある雑誌で見かけた記事を紹介させてください。
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 先日、とても身近な先輩ママさんが、三十六歳の若さで亡くなりました。乳がんでした。彼女は七年前、幸せ絶頂の結婚式から四か月後、妊婦検診中にがんが見つかりました。

 医師から「自分の命と赤ちゃんの命、どちらを選ぶかと言っても過言ではありません」と厳しい決断を迫られる中で命懸けで産むことを選び、妊娠六か月の時に手術、そして出産。その後七年間、一進一退の闘病生活を、子育てをしながら前向きに取り組んでいましたが、一人息子の小学校入学式の前日に体調が急変。その一か月後、息を引き取りました。

 彼女の姿を見ながら感じたのは、当たり前の日常がどれだけありがたいことか、ということ。そして、私たち人間は生かされているんだ。呼吸ができている、心臓が動いていることは決して当たり前ではないんだ、ということです。

 起き上がることができなくなった彼女は、愛する息子の学校生活の世話をすることも一緒に遊ぶことも、家族のために料理をつくってあげることもできなくなりました。最後は、次第に会話もできなくなっていくその姿を見て、当たり前の日常がどれだけありがたいことか。「普通に生活ができる」ということが、いかに普通でなく「有り難い」ことなのか。本当に大切なことを教えてもらいました。

 人生に同じ毎日なんて一日もないし、同じ日常は続かない。一日一日が特別で、一日一日がありがたい。起き上がって空を見上げることも、会話をすることも、命があるからこそできること。綺麗な空を子どもと見上げて「綺麗だね」と言えることがどんなに幸せか。たわいもない会話を家族でできることがどんなに幸せなことか。子どもが笑っていまここにいてくれることが、どんなに幸せなことなのか。彼女は身をもってそのことを教えてくれたように感じます。

 私が生きる今日という日常は、彼女がどんなに願っても生きられなかった未来なのだ……。