戯言

早朝、駐車場や中庭の落ち葉を掃き掃除するのが私の日課になった。
はじまりは10月下旬。毎日、毎日、掃き掃除を続けると、掃き方をいろいろ変えてみたくなる。
例えばだが、柄の持ち方を変えたり、掃くスピードを速くしたり遅くしたり、手首を効かせ穂先を弾ませたり…。
どうやれば効率的に掃けるか、自分なりに考えるようになるのだ。

 晴れた日は晴れた日の、
 雨の日は雨の日の、
 風吹く日は風吹く日の、
 掃き方がある。
 そう気づかされるのだ。

でも掃き方を変えただけでは、埒(らち)が明かない日もある。

雨上がりのアスファルトにへばりついた強情な落ち葉
集めても、集めても風で飛ばされる逃げ足の早い落ち葉

そんな落ち葉と格闘する自分を俯瞰してみると、自分が歩んできた人生に思えてくる。実に滑稽で、面白いではないか。
歳を重ねたせいか、掃き掃除一つで、そんな風に感じる今日この頃である。