祈りとともに、今を生きる

今朝は氷点下の厳しい冷え込みとなりました。日中も日差しはあるものの、気温は上がらず、春の足音はまだ遠くに感じられます。しかし、田尻町の県道を車で走っていると、寒さの中でも可憐に咲く「杏(あんず)」の花を見ることができました。その先にすすむと丘陵地に群生する鮮やかな黄色の菜の花たちが、まるで春の訪れを告げる灯火のように迎えてくれます。まだまだ肌寒い日は続きますが、自然の草木や花々は、命の輝きをもって着実な春の到来を教えてくれています。

東日本大震災から、十五年という月日が流れました。 あの日の大きな揺れ、津波の爪痕、そして原発の放射能という目に見えぬ不安‥。さらに私たちはその後も、熊本の震災や西日本豪雨、能登の震災と幾たびもの試練に向き合ってきました。日本全体が「これからどうなるのか」という大きな不安に包まれました。

そんな折、私の心に深く響き、生きる力を与えてくれるのが、仏教詩人・坂村真民先生の言葉です。

信じてください
心配しなくていいです
心の扉を
いつも開けてさえおけば
いろいろと教えてくださいます
信じてください
見えない世界から
いつも見守っていてくださることを

(『信じてください』より)

私たちは、目に見える世界の結果に一喜一憂し、不安に駆られることもあります。しかし、真民先生が説くように、私たちを根底で支えてくれている「目に見えない大きな力」や「尊いご縁」が必ずあると、私は信じています。

私たちは、生きていることを「当然」だと思いがちです。しかし、この大きな自然の中で、今日という日を無事に迎え、皆さんとこうして顔を合わせられることは、決して当たり前のことではありません。数えきれないほどのご縁に導かれ、支えられ、まさに「生かされている」という奇跡そのものなのです。

わたしはいつもひとりだから
あたたかいひとのこころにふれると
ほろりとする
生きていることがうれしくなる
暮らしていくことに力がでる

今日あなたに会って帰るのさ
夕の空のきれいだったこと
近々虹までたつではないか

ああ
わたしはもう
野心もなく欲もない
ただしずかに生きてゆきたい
美しいひとの美しい心にふれて
こころみださず生きてゆきたい

(『夕空』より)

この詩のように、日々の小さな出会いや、皆さんとの温かな心に触れられることを何よりの喜びにしたい。そして、たとえ報われることがなくても、目に見えない不思議な世界への信頼を胸に、しずかに歩みを進めていきたいと思っております。

今日という一日の尊さを分かち合いながら、これからも皆さんとともに、一歩ずつ大切に歩んでまいりましょう。