二十一紀は再び日本の出番が来る!

クリスマススペシャル弁当の受付終了!
 クリスマスが迫ってきました。今年もクリスマスイブ恒例の「クリスマス スペシャル弁当」を企画しております。今年も大変多くの皆様からご注文を頂戴し、予約を終了させていただきました。これから注文しようと思っておられた方、注文し忘れていた方にはとても心苦しいのですが、設備・マンパワーともに限界があり、私たちの持てる能力では対応できません。どうかご容赦くださいませ。ちなみに次回のスペシャル企画は、節分の恵方巻を予定しております。どんな恵方巻になるのか‥どうぞご期待ください。

今日の作業は‥
 利用者様と「ローストビーフ巻き」と「ミックスフライ弁当」を作りました。過日ブログでお伝えしましたが、以前は巻き寿司の型を使って作っておりました。簡単ではあるものの、しっかりと巻くことができず、また両端に具が行き届かず、完成度としては不十分であると感じておりました。そこで本来の「巻きす」を使用して作ることにしました。とは言え、一定の技術と経験が必要です。不安がないと言えばウソになります。

「難しいようだったら、元のやり方に戻せばよい‥」

 そう自分に言い聞かせ、利用者さんに作ってもらいました。するとどうでしょう。

「いいじゃないか!」

 私の心配はまったくの杞憂でした。よく出来ています。みんなのポテンシャルに驚きと感心しかありません。そして、みんなが一生懸命に心を込めて作ってくれた巻き寿司を、私が包丁で切らせてもらいました。一本一本切り分けながら、その出来栄えに「ようできとる」「ようできとる」と独り言。開業したばかりの2年前には弁当一つ作るのにもひと苦労だったのに、今ではこんなに難しい作業をこなすことができるなんて‥胸がジーンとします。

 よし、みんなの思いが詰まったローストビーフ巻きをお客様のもとへお届けしてきます!

「生命のメッセージ」
 奈良県天理市に佇む日本最古の神社の一つ、石上(いそのかみ)神宮。宮司の森正光さんと、同市出身で遺伝子工学の世界的権威であった村上和雄先生〈筑波大学名誉教授/故人〉のお話からは、日本の歴史の懐の深さがと伝わってきます。

〈村上〉そもそも日本人の精神の中に、神話の世界が生きていると私は思います。例えば、「おかげさま」という言葉がありますが、これは外国語には訳せない。「おかげさまで」と言うと、外国人は「何のおかげですか?」と聞いてくるんですよ。でも我われにしてみれば、神様でもご先祖様でも、自分を少し越えたような存在を感じていればそれでいいんです。「おかげ」というのは影なんですね。表じゃない。これは陰と陽の世界にも通ずる話であって、現れた現象の後ろにあるものに対して、我われ日本人は「おかげさま」と言う。

 それから「もったいない」という言葉も訳せないんですよ。単に「節約する」という意味ではなくて、その物をつくってくれた人への感謝の念が表されている。こういった日本の精神的伝統というのは、それこそ何千年と続いてきているわけで、そう簡単には消えるものではないと私は思っています。

〈森〉人間、目に見えるものばかりじゃなくて、見えないものもやはり大切にしてほしいですね。よく言われているじゃないですか、「いまの世の中は心を大切にする時代だ」って。確かにそうかもしれませんが、私は物も大切にすべきだと思うんです。というのも、いまは何でも使い捨てになってしまいましたが、物を大切に扱う姿勢というのは、そのまま先生がおっしゃるように、「おかげさま」「もったいない」の精神にも通じますからね。心を大切にするとは、本当はそういったことだと思うんです。

 それに関連したことで言いますと、石上神宮のお社というのは神職の修行道場になっていて、全国から神職さんが来られて数日かけて神道行法という基本的な行を学んでいます。これは戦後から始まったことで、そこで教えることは時代とともに変わる部分もあれば、不易流行で変えない部分もある。例えばお箸ですが、最初に来られた時に一人一膳お渡しすると、行法が終わるまで三食すべてをそのお箸で食べていただきます。物を大切にといった気持ちは、そういった小さなことから学ぶのが本来であって、特に若い人たちにはもっと伝えていかなければという思いでおります。

〈村上〉「おかげさま」とか「もったいない」といった言葉に象徴される日本人の生き方というのが、いま世界で注目されていると思うんですよ。大自然の恵みに感謝するという生き方に戻ることが世界にとって必要であり、そのためには二十一紀は再び日本の出番が来ると。ただ、問題なのは肝心の日本人がその自覚に欠けていることです。私たちの先祖が残してくれた素晴らしい伝統とか、生き方、考え方をもう一度見直して、日本が世界に貢献できるような国にしていきたい。それには、神道的な生き方が非常に大切じゃないかと思っています―――。