神様にえこひいきされている

 今日は配達件数が多く、作業の開始時間をいつもより10分早めてスタートしました。すると‥タイムリミットの10時30分には弁当が完成し、配達員へバトンタッチ。何も言うことはありません。

Good job!

 ちなみに今日の日替わり弁当の主菜はクリームコロッケだったのですが、皆さんから「美味しかった」と感想を頂戴しました。その言葉にどれほど元気を頂けるか。こちらこそ、ありがとうございます。皆さんのご期待に応えるべく、もっと、もっと美味しいお弁当を目指して精進していきます。ちなみに私は利用者様お二人と、特別メニューのガパオライスを作りました。タイ料理らしい独特のスパイスがきいてご飯が進むんですよ。当店の看板メニューの一つなんです。

「塩狩峠」、「泥流地帯」、「氷点」。高校時代に読んだ故・三浦綾子さんの代表作。息苦しいほど胸が絞めつけられ、涙が溢れる作品でした。三浦さんはキリスト教の信仰をもとに人間らしい生き方を問いかける小説やエッセイを書き続けてこられました。

「こんな病気ばかりしているわたしは、もしかしたら、神様にえこひいきされている・・・」

 そう語る三浦さんの人生は難病の連続でした。発端は24歳。突然高熱に倒れ、その後13年に及ぶ肺結核との闘病の始まりでした。当時、肺結核は死の病。入退院の繰り返しの中で、三浦さんは自殺未遂を起こしています。さらに不幸が重なります。脊椎カリエスを併発。ギプスベッドに固定され、動かせるのは首だけで寝返りもできず、来る日も来る日も天井を目にするのみ。排泄も一人ではできず、すべての世話はお母さん。そんな生活が4年も続いたとは想像を絶します。そんなとき運命の男性と出会い、結婚を申し込まれました。夫となる光世さんです。その日から薄皮を剥ぐように快方に向かい、二人は結婚します。綾子さん37歳、光世さん35歳でした。そして綾子さんの書いた小説『氷点』が新聞社の懸賞小説に当選、作家への道が開けました。ところが、その後も病魔は彼女を襲い続けるのです。紫斑病。喉頭がん。三大痛い病といわれる帯状疱疹が顔に斜めに発症、鼻がつぶれる。それが治ったと思ったら大腸がん。そしてパーキンソン病。次々と襲いかかる難病。それだけで絶望し、人生を呪っても不思議はありません。しかし三浦さんは常に明るく、ユーモアに溢れていました。

「これだけ難病に押しかけられたら、普通の人なら精神的に参ってしまいますね。神様が何か思し召しがあって私を病気にしたんだと思っています。神様にひいきにされていると思うこともあります。特別に目をかけられ、特別に任務を与えられたと……。いい気なもんですね(笑)」

 誰の人生にも抗えない絶望的な状況は訪れます。ですが心が受け入れない限り、絶望はありません。誰の人生にも不幸な状況はあります。しかし、心が受け入れない限り、不幸はありません。三浦さんの生き方はそのことを教えてくれているように思います。その三浦さんがこんな言葉を残してくれています。

「九つまで満ち足りていて、十のうち一つだけしか不満がない時でさえ、人間はまずその不満を真っ先に口から出し、文句をいいつづけるものなのだ。自分を顧みてつくづくそう思う。なぜわたしたちは不満を後まわしにし、感謝すべきことを先に言わないのだろう」