実行しなければ意味がない

 今日の特別メニュー「チーズインハンバーグカレー」を利用者様2名と一緒に盛り付けました。お二人とも任された役割を手際よく進めてくれたため、終了予定の10時前には完成、あとはフタを締めるだけ。ただ利用者のお一人は使い捨て容器のフタを締めるのが大の苦手。過去、何度も練習し、実践でも経験を積んできたのですが、今日もなかなか上手くできませんでした。いいんですよ。出来ないことに逃げずにチャレンジすることが大切。必ず出来るようになります!しっかりと家で復習して来てください。そして、次は一人でできるようになりましょう。

 
 今日5月8日は、『世界赤十字デー』。赤十字の創始者であるアンリ・デュナンの誕生日(1825年5月8日)にちなんで、世界の記念日として制定されています。スイス人の実業家だったデュナンは、フランス・サルディニア連合軍とオーストリア軍の間で行われたイタリア統一戦争の激戦地ソルフェリーノの近くを通りかかりました。

「丘も窪地も死骸の山、山、山…オーストリア兵と連合軍の兵は、互いに踏み倒し、血まみれの屍の上で殺し合い、銃尾で殴り合い、共に頭蓋骨を打ち砕く。サーベルや銃剣で腹を裂き会う。もはやそこは屠殺場だった。血に狂い血に酔いしれた猛獣の闘争だった。負傷者までが、息の根が止まるまで抵抗し、武器を失った者は、敵の喉をつかみ、喰いちぎった。大地は血を吸い、広野は人間の破片で覆いつくされた」(デュナンの著書の一節より)

 居ても立っても居られないデュナンはカバンの中からありったけのシャツを取り出すと、引き裂いて包帯にした。布に水をひたして傷口を拭い、熱のある者に湿布をし、苦痛にあえぐ人には優しく言葉をかけ、3日3晩一睡もせずに、看護に没頭しました。気を失うほど疲れ切った身体にむち打って、看護に向かう日々。その甲斐もなく、若者達は次々と息をひきとっていきました。

「なんということか。助かる命を。かけがえのない人間を。その父母たちにとってはたった一人のいとしい息子を。いま、ここに、空しく弔わねばならないとは‥」

 デュナンは、あふれる涙をおさえて、若者達の冥福を祈るしかありません。こんな惨劇の中に、デユナンの信念は培われていきました。

「人道主義も博愛主義も、どんなささいな事柄でも、例えば便器を洗うような事でも、実行をともなうものでなければ意味がない。決してきれいごとではないのである。鼻も曲がるような悪臭に、嘔吐を催すような汚物も、いとわず、進んでやれるような人間にならなければならない」

 ジュネーブに戻ったデュナンは、この時の様子を「ソルフェリーノの思い出」として著し、国際的な救護団体の必要性を訴えました。やがてヨーロッパ各国で大きな反響を呼び、1864年にはジュネーブ条約が調印され、国際赤十字が誕生したのです。