強い覚悟と実行さえあれば道は開ける

 昨夜23時過ぎ、自宅で事務作業をしておりますと、スマートフォンからの地震速報のけたたましい警報音が鳴り響きました。寝静まった深夜でしたが、目を覚まされた方も多かったのではないでしょうか。震度4の地震が間もなく‥と身構えましたが、幸い想定していた程の揺れではありませんでした。震源は豊後水道、愛媛県や高知県では最大震度6弱。福山市も震度3を計測しました。南海トラフ巨大地震との関連は今のところないとのことです。今年に入ってから能登、関東や九州地方など各地で大小の地震が発生しています。不穏な雰囲気を感じます。できる備えをしておきましょう。

 本日、4月生まれの3名の方の誕生日会を行いました。恒例ではありますが、みんなで”ハッピーバースデートゥーユー”を合唱し、お一人の方に代表してスピーチをお願いしたところ‥

「体が不自由で、手伝ってもらい、いつも迷惑ばかりかけて‥(涙)」

 そんなことはないですよ。しんどいお身体にも関わらず、できる仕事を精一杯頑張っておられる姿は、他の利用者様の模範であり、励みでもあります。そんなにご自身を卑下されないでください。彼女の目標は一般就労。その目標に向けて、少しずつ歩みを進めていきましょう。

 安藤忠雄さんはコンクリート打ち放しの建築に自然の息吹を感じさせる独自の表現によって、近代建築の可能性を極限にまで推し進め、日本を代表する建築家として、世界を舞台に現代建築の可能性を開拓し続けています。今は日本が誇る建築家ですが、建築家になる前は経済的に困窮、並々ならぬ努力を積み重ねてこられたそうです―――

『私は経済的な事情と学力の両方の理由から大学には行けず、建築の専門教育も受けられなかった。ならば自分で勉強しようと19歳の時に、建築学科の学生が4年間かけて学ぶ専門書を1年で全部読もうと決心し、毎朝9時から翌日の朝4時まで机に向かいました。睡眠時間は4時間。4月1日から翌年の3月31日まで、ほとんど外出もせず、無我夢中で勉強したんです。

「おまえは学校へ行ってない。ハンディキャップがある。でも、ハンディキャップは意外といい。頑張るから」と祖母から言われたことがありますが、いま振り返るとその通りだと思います。その後、昼はアルバイトをし、夜は通信教育で建築やデッサン、グラフィックデザインなどを手当たり次第に学び、休みの日は奈良や京都へ行って、東大寺や法隆寺といった壮大なものから茶室のような小さなものまで、ありとあらゆる伝統的な建築を見て回る生活を送りました。

二級建築士と一級建築士の資格を取る時も、いずれも一発で合格しようと覚悟を定め、仕事の仲間と昼食に行く時間も惜しんで、パンを2つ食べながら一人黙々と建築の専門書を読んでました。「安藤は頭がおかしくなったんか」と冷たい視線を向けられたりもしましたが、おかげで両方とも一発で合格することができたんです。

若い頃に、一度は死に物狂いで物事に打ち込んでみることが必要です。目標を定めたら何が何でも達成するんだという意志を持たないと。独学であっても強い覚悟と実行さえあれば道は開ける。これは私の実感であり、体験を通して掴んだ一つの法則です。』