困難の中にこそ挑戦する価値がある

 先週に比べると季節がぐっと前進したように感じます。障害者差別解消法(正式名称「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)が改正され、昨日(4月1日)から、事業者による障がいのある方への「合理的配慮」が義務化されました。

 「合理的配慮」とは、障がい者が生活の中で遭遇する、困りごとや障壁を取り除くための何らかの対応をすることです。障がいのある方の希望や特性、状況などによって「合理的配慮」は異なり、ほんの少しの気配りで解決できることがたくさんあると思います。

【合理的配慮の事例】
・筆談、手話、読み上げなど意思疎通の配慮を行う。
・言葉だけで理解ができない場合、写真や絵を使って情報提供をする。
・長時間立っていることが困難な場合、椅子を用意し座れるようにする。

 法整備がなされることは、障がいを抱える方にとってGood Newsであることは間違いありません。ただ、配慮をしなさい‥具体的なことはこれこれしかじか‥と謳わなければならない程度の国民になってしまったのかと正直なところ情けない思いになりました。障がい者に限らず、目の前に困っておられる方がいらっしゃれば手を差し伸べる―――当たり前のことじゃないですか!そんな法律がなければ人にやさしくなれない日本人になってしまったのでしょうか。

 セブンイレブンをつくった鈴木敏文氏の言葉です―――

 こんな仕事は面白くない、そうぼやく声をよく聞くのですが、それは挑戦意欲がないからで、自分は駄目だと公言しているのと同等です。世の中は常に変化します。ゆえにその時代、その年齢に相応しい挑戦をしていくことが大切なのです。

 いまでこそ当たり前のようにお弁当やおにぎりを売っていますが、当初は猛反対されました。家庭でつくるものであるお弁当やおにぎりをわざわざ店で買う人がいるのかと。確かに最初は一日に一店舗で2個か3個しか売れませんでしたが、今では年間22億個も売れるようになりました。おでんやセブン銀行もしかり。

 周囲から反対を受けながらも常に挑戦し続けることで、道を切り拓いてきました。皆が一様に賛成することは挑戦する価値のないことであり、皆が反対することにこそ、未来を切り拓く宝が眠っている。つまり、困難の中にこそ挑戦する価値がある。信念を持って挑戦し続けていると、世の中の常識のほうが変わっていくのです。