熱い、熱い、尾道の夜
先週金曜日、中小企業家同友会尾道支部の30周年記念講演会に参加しました。ニットメーカーである佐藤繊維(山形県寒河江市)の4代目社長様が歩んで来られた話でした。
かつて福山市新市町も繊維の町でしたが安価な労働力を求めて工場は海外に移転、繊維の町が衰退したように、寒河江市も485社あったニット工場は15社と消滅寸前。4代目の社長の生き残りをかけた30年間の苦闘の話は、こころ揺さぶられる内容でした。
講演では深くは触れられていませんでしたが、先代社長のもとで長年働いてきた幹部と相当な軋轢があったそうです。若き日の4代目社長は自分しか見えていなかったのかもしれません。それが―――。
仲間を尊重する、信頼するように自分を変えることが、会社浮上の潮目となったそうです。新しいことに取り組むことを拒んできた工場長が、遅くまで残り、自ら新しいニット開発にチャレンジするように変わっていきました。大変ご苦労されながら、今ではシャネルなど世界一流ブランドに糸や生地を供給するほど世界の中でも唯一無二の会社に成長されました。やはり企業は「人」です。私も大いに反省しなければなりません。そしてもっと身を粉にして働かなければならないと痛感しました。忙しい中でもいろいろな方のお話を聞くことは、やはり大切なことですね。参加するだけでなく、学んだことを一つでも実践していきます。
講演会のしめくくり「尾道ベッチャー太鼓」の演奏を生れてはじめて見ました。まさに魂の叫び。言葉で言い表せないほどの感動で、鳥肌が立ちました。こんなに素晴らしい文化が尾道にあったのか‥と半世紀を生きてきたおっさんですが、度肝を抜かれた思いです。感動し過ぎて、その夜はなかなか眠れませんでした。