運命のハンドルを握って――うららかな風 誕生の記憶

「運命」という言葉を辞書で引くと、「人間の意志を超えて与えられる幸、不幸のめぐりあわせ」とあります。しかし、私はそれだけではないと感じています。
「運命」とは、「命を運ぶ」こと。 そのハンドルを握る運転手は、他でもない自分自身なのだと。
そう強く確信するようになった、ある大切な「ご縁」のお話をさせてください。
魂を揺さぶられた、あの日の光景
「うららかな風」を開所する少し前のこと、広島市内の就労継続支援事業所を見学させていただく機会がありました。そこで目にしたのは、利用者の方々が一生懸命にお弁当作りに励む姿でした。
一言も発さず、ただ黙々と、丁寧に。 その姿は、どこか神々しいほどに美しく、私の心に言葉にならない衝撃を与えたのです。
その日から、彼らのひたむきな姿が頭から離れなくなりました。 「これは、私にやりなさいということか!」 胸の奥から湧き上がるような声が聞こえた気がしました。
仏様に導かれるように
それからの日々は、まるで仏様に背中を押されているかのようでした。 「こうしたい」という強い思いが、不思議と多くの方々とのご縁を繋ぎ、驚くほど温かいご支援を次々と手繰り寄せたのです。
一人では、到底なし得なかったことです。 たくさんの方に助けられ、支えられ、気づけばわずか半年足らずで「うららかな風」をオープンすることができました。
感謝を胸に、今日も「命を運ぶ」
おかげさまで、現在では利用者さんも定員に達し、毎日「身を削るほど」と言えるほど、たくさんのお弁当のご注文をいただけるようになりました。
皆が黙々と作業する姿を見るたび、あの日、私を突き動かした「あの光景」が重なります。
今日という日も、私たちは感謝を込めてハンドルを握ります。 皆さまの元へ、美味しいお弁当と共に、私たちの「命」を運んでいきたい。そう願いながら、一歩ずつ歩んでまいります。
いつも支えてくださる皆さま、本当にありがとうございます。


