近すぎず、遠すぎず

雨の日は利用者さんのメンタルにあまり良い影響を与えてくれません。

「雨の日は、イライラする…」いつも穏やかな方なのですが、眼光は鋭く頬を強張らせ殺気立った様子。

「外で新鮮な空気を吸ってきます」と伝え、ひとりで天を仰いでおられました。内なる自分と闘っているようにも見えます。程なくすると、「落ち着きました」とニコニコしながら入ってきました。いつもの彼に戻っていました。

もう一方は、雨や曇りの日になると、「行きたくない病」を発症されます。今日も朝お迎えに行くのですが、「今日は行かない!」と硬い表情。施設の方も困り顔。諦めて施設を出発したのですが忘れ物を取りに帰ることになり、再度立ち寄ると、「仕事に行きます」と気持ちが一変。事業所へ向かう車中は終始無言のままでしたが、仕事が始まるといつもの彼に戻りました。

お二人に言えることですが、直ぐに結論を出させるのではなく、ひと呼吸おいてから答えを出すようサポートすることが大切なのだと学びました。無理やりではなく、あくまで自主性に任せること。私たちに求められるのは、根気強く、諦めず、距離感は近すぎず遠すぎず…。

大手スーパー様から、「地元で頑張っている弁当屋さんの総菜などを店頭で販売している。お弁当がおいしいと聞いたので伺ってみようと…」と、スーパーでの店頭販売のお誘いでした。こんな光栄なことはありません。私たちの方が営業する立場です。感謝しかありません。ただ、就労継続支援事業者であり、過度な販売は控えなければなりませんし、現在の厨房設備では生産能力的に厳しいこと、原材料などの表示義務に対応できないこと…などの理由から、今回のお誘いは辞退させていただきました。いろいろなハードルをクリアできた暁には、私の方からお願いに伺いたいと思っております。