負けず嫌いのさらにうえ
先週末、体調不良で急なお休みを頂戴することになりました。開業以来、病気が理由で休んだことは一度もなく、自分は病気には縁がない人間だと過信しておりました。幸い新型コロナやインフルエンザといった感染症ではありませんでした。恐らく一過性のものだったのでしょう。翌日には体調も回復、いつも通りエネルギー満タンとなりましたので、今日からばりばり働きます!
本日は利用者様と巻き寿司を作りました。先々週のキンパ巻きはご飯にごま油が入っており、ご飯とご飯がくっつきにくく、巻きが甘くなり包丁で切る際に崩れることが度々あり苦戦しておりました。その点、今日の巻き寿司は酢飯です。しっかりと巻くことができましたし、見栄えもgood! ちなみに来月予定しているえびフライ巻き、ヒレカツ巻きもサンプルで巻いてみたのですが、キンパ巻きで修行してきたせいか、難なく巻くことができました。この調子で、明日もたくさんの巻き寿司を作りましょう❤
『負けず嫌いにもレベルがある~張 栩(囲碁棋士)』
持ち時間は対局によって異なりますが、午前十時に始まった対局が午後十一時過ぎに終わることもあります。その間、頭は常にフル回転ですから、心身共にへとへとに疲れます。一度の対局で二~三キロ体重が減ってしまう棋士もいるくらいです。「そんなに長い間、集中できるの?」と思われるかもしれませんが、途中で眠気を催したり、気を抜いたりしては命取りですから、普段から「脳の体力」を鍛えることは意識し続けてきました。
例えば、若い頃は日本棋院での対局を終えて家に帰ってきた後、疲労困憊の状態で、さらにインターネットでまだ打っていました。疲労し切った脳をさらにギリギリに絞る。そんなイメージでしょうか。いまでも、疲れて寝る前に布団の中でその日打った碁を頭の中で再現してみます。それも超高速で。スポーツでも何でもそうだと思いますが、普段できないことは本番でもできません。集中力についても同じだと思います。いざ対局の時に絞り出そうとしても、いきなりはできない。普段から疲れた脳に最後のひと仕事をさせる訓練をしておくべきだと思います。
もっとも、僕はそれを「努力」とは思っていないんですね。囲碁が好きだから、全く苦痛ではない。囲碁が好きなことは棋士である以上、とても大切な資質だと思いますね。好きじゃないとすべてが苦しくなってきます。その他、プロ棋士に共通する資質として、やっぱり勝負に対する執念はものすごいですよね。簡単にいえば「負けず嫌い」。なんだ、当たり前だと思われるかもしれませんが、僕は「負けず嫌い」にも段階があると思っています。
まずは「その場だけの負けず嫌い」。勝負の世界に限らず、負けるのが好きという人はそうそういませんから、やはりやるからには当然勝利を目指すわけです。しかし、それがその場限りのものであっては「負けず嫌い」とはいえないと思うんですね。自分が勝ちたい、もっと上手くなりたいと思ったら、練習を積んだり体調を整えたり準備をするはず。これが次の段階です。趣味で取り組んでいるものであれば、正しい努力と準備を行っていけば、相当のレベルにまで到達すると思います。
しかし、「真の負けず嫌い」はさらにもう一段階上じゃないかなと。それは「自分の人生のすべてを賭けて」という部分が加わってくると思うんです。一道を極めている人は必ずどこかの時期でこの経験をしていると思います。囲碁のように白黒はっきりつく勝負の世界に限らず、事業家でも芸術家でも、どこかで人生を賭けた大一番の勝負をしているはずです。一度は寝食を忘れすべてを注ぎ込む時期を経ない限り、道はひらけていかないと思います。