私を救ってくれた利用者という大切な宝物

私たちは誰もが、確実に「死」という終着点に向かって歩んでいます。だからこそ、私は一日一日、一秒一秒を悔やむことなく「全力で生ききる」こと、それが私たちに与えられた寿命を全うするということだと強く思っています。
かつての私は、障がいを抱えるご利用者様と接する際、どこかで「支援をする側と受ける側」という意識を持っていました。しかし、今は違います。職員と利用者という関係を、もし上下関係と捉える人がいたとしても、私はむしろ「彼らに支えられている」ことを痛感する毎日です。
経営者として逃げ出したいほど暗澹たる気持ちになったとき、作業を通じて彼らと共有する時間は、私の心を癒やし、励まし、勇気づけてくれます。私の宝物は彼らそのものであり、共に過ごす空間、「うららかな風」こそが、私の人生そのものなのです。
仏教には「唯識(ゆいしき)」という教えがあります。世界は客観的に固定されたものではなく、一人ひとりの「心の受け取り方」によって立ち現れるという考え方です。同じ出来事でも、それを苦しみとする人もいれば、感謝と学びの世界にする人もいます。人の数だけ、それぞれの世界がある。だからこそ、自分の世界を誰かに強制することなく、互いの世界を尊重し合うことが大切なのです。この「唯識」の視点を持つことで、私たちの人間関係はより円滑で、温かなものに変わっていくのではないでしょうか。
今、この一瞬を共に生きる仲間として、これからも皆さんと、そして利用者の方々と共に、豊かな「心の世界」を築いていきたいと願っています。


