発憤力こそ人生をひらく源

 ようやくセミの鳴き声を聞くことができるようになりました。セミの一生は、幼虫の期間が7年、成虫はわずか7日で、たった7年7日ほどです。子どもの頃、網でセミを捕まえて遊んでいましたが、いま思えばむごいことをしたと反省しています。ところで、7年7日というセミの命は何のためにあるのでしょうか。次の世代に子孫を残すために一生を捧げること。それは人間と言えども同じです。人の一生は80年。私たちも、次の世代にきちんと橋渡しをする役割をきちんと果たす生き方をしなければならないのです。

 今日は利用者様と「デミかつ丼」の盛り付けをしました。デミかつ丼と言えば、岡山のご当地グルメで、うららかな風では2回目の登場となります。1回目のデミかつ丼の際、岡山出身のスタッフからデミグラスソースがたっぷりかかっているのが、本当のデミかつ丼です‥と指摘がありました。前回のデミグラスソースは確かに少なかったように感じました。そこで今回、料理長がたっぷりのデミグラスソースを作ってくれ、かつのトロリ。岡山出身のスタッフも納得のデミかつ丼になりました。それにしても、うららかな風のかつは表現は悪いのですが、わらじのように大きく、ボリューム満点です。さて、さて、今回のデミかつ丼はいかがでしたでしょうか。

『心の鍵をひらく3つのヒント』

 人生をひらくとは、心をひらくことである。心をひらかず固く閉ざしている人に、人生はひらかない。「ひらく」には、開拓する、耕す、という意味もある。いかに上質な土壌もコンクリートのように固まっていては、よき種を蒔いても実りを得ることはできない。

 心をひらき、心を耕す──人生をひらく第一の鍵である。社会教育家の田中真澄さんが講演でよくされる話がある。人間の能力は、知識、技術、そして心構えの三辺で表される。どんなに知識と技術があっても、心構えが悪ければ能力は出てこない。すべては底辺の心構えいかんにある。

 さらに、よき心構えは積極性×明朗性で表される、という。消極性×陰気では何事も成し得ない。心構えに関する田中真澄さんの卓見がある。

「心構えというのは、どんなに磨いても毎日ゼロになる能力である。毎朝歯を磨くように、 心構えも毎朝磨き直さなければならない」。人生をひらく第二の鍵である。

『論語』と並ぶ古典『大学』は全編これ、人生をひらく教えに満ちている。中でも心に響く一文がある。

「必ず忠信以て之を得、驕泰(きょうたい)以て之を失う」

 まごころを尽くしてすれば何事も成功するが、反対におごり高ぶる態度ですれば必ず失敗する、ということである。人生をひらく第三の鍵といえよう。

 最後に、二宮尊徳の言葉を紹介する。「太陽の徳、広大なりといえども、芽を出さんとする念慮、育たんとする気力なきものは仕方なし」。発憤力こそ人生をひらく源であることを忘れてはならない。