悲しい、やるせない、悔しすぎます。

 3月3日の雛祭り‥胸躍る暖かな春はもう少し‥。ただ私の心はすごく落ち込んでいます。と言いますのも、病院に勤務していた時代からお付き合いさせていただいていた弁当製造の会社が2月28日に自己破産したという報を耳にしたからです。

 社長様とは創業時から懇意にさせて頂いており、事業をはじめられた頃のご苦労は近くで見ておりましたので、よく存じ上げております。365日、昼夜を問わず、身を粉にしながら頑張って来られ、創業から僅か12年で福山で屈指の弁当製造会社に成長させたのです。今では、車を走らせれば、必ずその屋号のついた車を目にするほど。

 うららかな風を開業する際には、色々と相談に乗っていただき、また私たちの作るお弁当も試食いただくなど本当にお世話になっておりました。私の心のよりどころの社長様がこんなことに‥全く信じられません。

 「米価の急騰により毎月300万円以上の食材費の増加による予定外の資金消耗となり、昨年11月には全てのお客様に対して1食30〜50円の値上げ交渉も実施しましたが、交渉も思うように了承を得られず、資金繰りの悪化が進行してしまい、3月中旬の増産を目前にして事業継続を断念せざるを得ない状況となってしまいました。」

 Facebookにアップされた社長様の最後のメッセージです。3月中旬の増産を目前に‥口惜しさが伝わってきます。奇しくもうららかな風は、本日より30円~50円程度、弁当価格を値上げしました。正直を申しますとお米以外の様々なものが高騰し続けているいま、今回の値上げでも追いつかないのが本心です。社長様も仰られていますが、値上げすることに対してお客様の反応はシビアです。お客様を失いたくない‥ですから値上げという言葉を封印して無理をして作る。作れば作るほど赤字が膨らむ‥痛いほど分かります。これが飲食業界の現状です。

 大切な、大切な会社を失いました。福山市民にとって大きな損失です。悲しいです。やるせないです。悔しいです―――。