福山の水がめが危ない

朝夕の道路状況はスムーズで、まだ多くの企業が正月休み期間であるのことを実感します。毎日が渋滞のない社会であれば、その時間をより有意義な時間に回すことができ、また生産性も向上させることができるのに‥とやるせない気持ちになります。嘆いても仕方ありませんね。

昨年3月、国連本部で「国連水不足会議」が開催されました。グテーレス国連事務総長は地球温暖化、気候変動の深刻さを「地球はいま沸騰している」とインパクトのある言葉で全世界に発信しました。このままでは2030年には世界人口の約半分の40億人もの人々が日常生活に不便を感じる「水ストレス」の状態に見舞われると予測されています。自国に水源があり、安心して利用できる国は国連加盟国193か国のうち日本を含めて21か国しかないそうです。世界の大半の国は、多国間を流れる国際河川の水源を巡って激しい水の争奪戦が行われています。

日本の水資源の三割は、梅雨と台風、積雪によって賄われています。地球温暖化の影響で梅雨前線は日本列島に長くとどまらなくなり、台風の進路も過去の軌道とは異なって進み、積雪はここ百年で三割も減っています。豊富であった水資源は危機的な状況にあります。

福山市の水源である芦田川流域の降水量は、8月から少雨が続いており,12月6日から工業用水について10%の自主節水。その後も降水量は低調で、貯水量が1,500万㎥を下回った12月31日から、工業用水及び農業用水について20%の取水制限が実施されました。今後も貯水量を回復するほどの雨は期待できない見込みで、使用制限がさらに厳しくなることは確実でしょう。

日本人にとって、水は何の苦労もなくいつでも得られ、空気と同様にあって当たり前の存在。今までは断水でもない限りありがたさを感じることはありませんでした。それが当たり前ではない時代に突入しつつあります。

私たちはこのまま手をこまねいているだけで良いのでしょうか。本当にこのままで良いのでしょうか。