ひと皮むけたね!

最近、とても嬉しいことがありました。ある利用者様のことです―――

朝のお迎えに行くも部屋から出てこられない日は数知れず、部屋に入らせていただき説得するもベッドに横たわったまま動こうとされず、施設の職員さんとの「行きなさい」、「行かない」との激しい言葉の応酬にも屈することなく起き上がろうとされず、「昼から行く」とのことで昼前にお迎えに行くこともしばしば(昼食はうららかな風で‥)、自転車で逃走されたこともありました。

それが―――

朝のお迎えに行くと既に玄関先で待たれているのです。びっくり、くり、くりです。うららかな風での仕事も黙々とこなされ、夏場は誰もが敬遠したくなる洗い場の仕事も愚痴ひとつなくやり遂げ、35℃以上の酷く暑い日も率先して草取りをしてくれます。

私生活においてもゲームを封印、最近は歴史にはまり、うららかな風に歴史辞典まで持ち込んで勉強しています。時折、関ヶ原の戦いでなぜ西軍が負けたか知っているか?とまるで歴史の先生のように教えてくれます。

天地が逆転するほどの変化に、うららかな風のスタッフも驚きを隠せません。これは、施設職員様の6年に及ぶ献身的な関わりがこうして実を結んだのだと私は思っています。朝となく、夜となく、休日も関係なく、関わられているのですから!

これからも色々な壁にぶつかり、耐えがたい苦痛やしんどさを感じることもあるでしょう。私たちは、後戻りしないことを願ってやみません。しかし乗り越えがたい時が必ずやって来ます。その時は遠慮はいりません。立ち止まれば良いのです。後ずさりしても良いのです。そして後ろを振り向いてください。私たちはどんな時もあなたのそばで見守っていますから!