たかがトイレ掃除ではない!
うららかな風で一人残って作業をしておりました。用を足しにトイレに行くと、汚れておりましたのでトイレ掃除をはじめました。皆さんはどう感じられるか分かりませんが、私はトイレを掃除するが全く苦になりません。それは小学校の校長先生の影響を受けたからかもしれません。
私の小学校時代の校長先生はトイレ掃除の大切さを人一倍感じておられました。ある日の朝礼で―――
「トイレをピカピカにしたら、私が便器を舐めてあげますので、校長室に報告に来てください」
子どもと云うのは何も斟酌せず、そのまま受け取りますので、「よし、校長先生を困らせてやろう」とみんなでトイレをピカピカにしました。子どもといえども、まさか本当に便器なんか舐めるはずはないと半信半疑。そして、ドキドキしながら校長室へ報告に行きました。私たちがきれいにしたトイレを見るなり、校長先生は本当に便器を舐められたのです!私たちは、唖然‥。
子どもですので普通ですとゲラゲラ笑ってしまうところですが、私たちのことを心から称賛し、身体を張って約束を守る姿を見ると、笑う者などいようはずがありません。その姿に感動すら覚え、校長先生のためにきれいに掃除してよかったと心底思ったことを思い出します。
トイレを掃除しておりますと、心がとても穏やかになります。落ち着くんです。そして心地良いです。トイレがきれいになると、自分の心も洗われるような気持になります。反対に汚いトイレは、荒んだ気持ちになります。イエローハットの創業者・鍵山秀三郎氏は社員のためにと、10年もの間一人で会社のトイレ掃除を続けました。すると社員が一人また一人と加わっていったそうです。そして、トイレ掃除をみんなで取り組むようになり、会社は飛躍的に成長を遂げていったのです。
たかがトイレ掃除、されどトイレ掃除です!