うららかな風のかわいいファンから❤️

 毎日お弁当をお届けしている会社様から写真を印刷したものを受け取りました。それは、小学2年生の娘さんが綴った日記のお写真でした。

『きのう、うららかな風のローストビーフまきをたべました。とてもおいしかったです。つぎもたべたいです。』

 うれしくて、うれしくて、沁みて、沁みて、涙、涙‥。厳しい環境の中で、こうしたお手紙を頂戴すると、何より頑張ろうって励みになるんです。ましてや、うららかな風の小さなファンからですとなおさらです。来月のメニューにも入れておきますね❤本当に、ありがとうございました。

  
 東日本大震災からもう14年が経ちます。3月11日を迎えると、この話を思い返します――。

 震災直後、ある警察官が避難所で食料を配る手伝いをしていました。ようやく届けられた食料を受け取るために、たくさんの被災者が列をつくっていました。最後尾に目をやると九歳ほどの男の子が、厳寒の中をTシャツ・短パンという軽装で佇んでいます。

 警察官が声をかけると‥地震の後、お父さんが小学校に車で迎えに来てくれた。その時、大きな津波が来て、お父さんを車ごと呑み込んでいくのを三階のベランダから見た。海の近くの自宅にいた母親や弟妹もたぶん助からないと思う。不安を打ち消そうと涙を拭いながら、悔しさと寒さに震えながら、必死に話してくれました。

 不憫に思った警察官は、自分のコートを掛けてやり、用意していた食料のパックを渡しました。ところが、その男の子は何と食料パックを配給用の箱に置きに行ったのです。

「僕よりお腹をすかせてる人がたくさんいるだろうから…」

 警察官は、もう涙で少年を見ることができませんでした。両親も弟妹も行方不明で、不安と悲しみに打ちひしがれ空腹と寒さの中で絶望している少年。それでもその困難に耐え、自分のことよりも他人を思いやることができる。

 この話を聞き、日本はまだ大丈夫だと、行く末を憂う私の心に希望の光が射したのを鮮明に覚えています―――。