いつまでも一緒に!

 利用者様からお手紙をいただきました。彼女にとって思いを文字にすることがどんなに大変であるか….。封を開けこの文字を見た瞬間に時間をかけて、苦労して書かれた様子が伝わってきました。そして、彼女の仕事へのとても熱い思いが私の胸のびんびん伝わる内容でした。このお手紙を書いたのは、ブログでも再々紹介したことがあるトイレ掃除を熱心にしてくださる利用者様(私は『トイレの神様』だと思っています)。

 かつて彼女に調理の仕事に集中しなければならない時、いつトイレ掃除をさせてもらえるのか繰り返し仰られたため、トイレだけでなく調理の仕事や軽作業も大切な仕事だということを注意しました。私の発したその言葉に、手紙で答えてくれたのでしょう。

「トイレ掃除だけじゃなく、他の仕事も何でもやるよ」

「動けるまで今の仕事はやるよ。動くのがむずかしくなったら、こうはい(後輩)におまかせするよ。今は自分でできているので、全ぶ自分でやれるところまでやります」

「自分が決めたことはさいごまでやります」

 彼女の強い、強い決意表明。よく分かりました。1年前に彼女が利用開始された当初、感情のコントロールができず、ときに他の利用者様を攻撃したり、ご自身の頭を叩くなどの自傷行為もありましたが、今ではお気持ちをコントロールすることができ、穏やかに仕事をされる時間が増えましたね。随分成長されましたよ。すごいことです!私の願いは、70歳、いえ80歳を超えても一緒に仕事をすることです!だから、いつまでも元気でいてくださいね。そして、楽しく仕事をしましょう。

 エジソンは1847年、アメリカ・オハイオ州に生まれ、84歳でその生涯を閉じました。その間に発明、改良したものは3000に及びます。30歳で電話機や蓄音機を生み出し、その翌年、31歳で人類史上に画期をもたらした実験に取りかかります。そう、白熱電球の発明です。実験に打ち込むこと1年。5000回もの失敗を繰り返し、1879年、32歳のエジソンはついに白熱電球45時間連続点灯に成功しました。いまから145年前のことです。それまで人類は、夜はローソクやランプで暮らしていました。夜は暗いもの―――。その生活を電灯という灯りを創り出すことで一変させました。

 有名な逸話があります。「電球を完成させるのに5000回も失敗したそうですね」という新聞記者の質問に、エジソンは「5000回も失敗したって?そんなことはない。うまくいかない5000通りの方法を発見するのに成功したんだよ」

 誰もが些細なことから大きなことまで失敗に遭遇します。その失敗をどう受け止め、乗り越えるか。その受け止め方次第で、その人生は大きく左右されるのだと私は思います。