「わからない」を恐れるな~生物学者・中村桂子に学ぶ仕事と人生の真髄

朝4時、十五夜の美しいお月様に照らされて出勤しました。「中秋の名月」。秋の深まりを感じずにはいられません。
今日は、生物学者である中村桂子先生の言葉から、私たちが仕事や人生で大切にすべき姿勢について考えてみたいと思います。
「自然の中を少し歩いたら未知のことだらけですよ。私たちはもともと、未知の中に暮らしてるんです。生きもののことはまだ99%はわかってはいません。」
私たちは、「わかっている」ことは良いこと、「わからない」のは良くない、とつい思いがちです。
「一つわかるというのは、わからないことが100出てくるってことです。100わかると、今度は1万わからなくなる。研究というのは、やればやるほどわからない世界が広がっていくんです。」
これは、私たちの日々の仕事にもそのまま当てはまります。経験を積み、深く取り組めば取り組むほど、「わかったつもり」だった部分が実は氷山の一角で、その周りに広大な未知の世界が広がっていることに気づくものです。もし、この「わからない」を悪いこと、不安なことと捉えたら、仕事はどんどん虚しくなります。しかし、「わからないことが素晴らしい」と感じたなら、それは尽きることのない「わくわく」と楽しさにつながるはずです。
中村先生は、「今はわかってるということをあまりにも大事にし過ぎてる。「わからない」ことの方にこそ、新しい発想や深い気づきが眠っています。私たちが最終的に目指すのは、「わかりようのない道を会得する」ことかもしれません。
大いなる「わからない世界」に抱かれ、すべてを把握しようと焦るのではなく、その中でしなやかに仕事を進めていく。「わからない」ことを恐れず、むしろ楽しむ気持ちで、目の前の仕事に取り組みましょう。その姿勢が、私たちに新たな発見と喜びをもたらすはずです。


