言葉と行動があなたの心

 私が出勤する時間には雨が降っておりましたが、日の出の時間には雨はやんで、気持ちの良い晴れ間が広がりました。季節の変わり目は、なかなか不安定ですね。

 2022年11月に就労継続支援事業所のうららかな風を開設して1年5ヶ月が経ちました。スタートして3ヶ月は、利用者様も閑古鳥、弁当の注文も今ほど多くなく、先行きを案じておりました。開設して半年が過ぎるころから少しずつ利用者様が増え、本日、登録20名(定員20名)に達しました。私にとっては、長くきつい日が続きましたので、うれしくてなりません。利用者様やお弁当を注文くださっているお客様のために、この道を究め、精進したいと思っております。

 2月から一般就労に移行された利用者様が働いている会社に訪問させていただきました。本人に会う前にまずは社長様に近況をお聞きしたところ、「遅れてきたり休んだりすることもありません。よく頑張っていると思います。この前、研修にも参加してくれて、しっかりと発言していましたよ。」と順調なスタートを切ったようでひと安心。

  本人の配属されている工場を訪ねました。後方から遠目に様子をうかがっておりましたが、うららかな風にいた頃よりも逞しく、真剣に取り組む姿を見て、熱いものが込み上げてきました。めっちゃ頑張ってる!

「弁当を買いに行けなくてすみません。仕事にやりがいを感じています。先輩たちから色々なことを学ばせていただいています。失敗することもありますが、厳しく言われたことはありません。ありがたいことです」とはにかみながら話をしてくれました。

 率直に、いい顔になっている―――。

 いまはスタートを切ったばかりで、日々無我夢中の日々を送っていると思います。仕事のおもしろさや、やりがいを感じるには5年、いえ10年はかかります。まだまだこれからです。一歩ずつで構いませんので、急がず、慌てず、実力を養い成長していってください。また会いに来ますね。

 シンガーソングライターの長渕剛さんのお母様とのエピソードを紹介します。

 今もなお長渕さんの心に残る母の教えとは――。

「母は僕の師。僕が生まれる前に兄を生後間もなく亡くしていますので、念願の男の子だったと思います。当時は高度経済成長の走りの頃で貧しかったですし、僕は非常に病弱なガキでした。一番厳しかったのは、嘘をつかないということでした。

 小学生の時に習い事をサボったことがありました。その嘘が母にバレて、そういう時は決まって三回問い詰められるんです。神仏の前に正座させられて、「行ってないよね」と聞かれて「行った」って答える。「二回目、聞くよ」「いや、ちゃんと行ったんだ」。で、三回目になるとやっぱり良心の呵責というか、三回も嘘をつくのかと後ろめたくなって、「嘘だよね」って言われた時に黙っちゃう。そうすると、真っ暗な押し入れの中に一時間くらい放り込まれた後、再び神仏の前に正座させられ、母が「心はどこにある」と聞くんです。僕は「……うーん……どっか、このへん」と自分の胸の辺りを指します。すると母は、ビシッと、「どこだか分からないから、自分の心を示すために言葉と行動があるんだよ!言葉と行動そのものがあんたの心!!覚えておきなさい」。このお母様の金言が長渕さんの心の源流なのです。