衛生管理は大丈夫ですか?
マスコミでも大きく報道されましたが青森県の駅弁製造会社が作った駅弁を原因とする集団食中毒が発生しました。約480名の方が発症、広島県内においても30数名が体調不良を訴えておられます。大きな被害が全国に広がってしまいました。被害者の方の回復を祈るばかりです。
この件からの学びですが、おいしい弁当を作ることは大切なことですが、それよりも食の安全が何よりも優先するということです。ご飯は外注しており受け入れ時の検品を行うことになっておりますが、受け入れ時の検査を怠ったために、この様な健康被害を招いてしまいました。
国は食品を取り扱う全事業所に対して、2021年6月からHACCP(ハサップ)による衛生管理を義務化しました。全ての製造工程(食材の入荷から出荷まで)において、危険だと思うところにフラグを立てて必ずチェックします。外部からご飯を受け入れる際、今回問題となったご飯の温度を含むチェックポイントを事業者は決めており、監視しなければなりませんでした。
「一部の食材(具体的には、米飯)を県外の委託業者より仕入れ、当該食材を用いて一部の弁当を製造いたしました。その際、当社において、当該食材の受け入れにあたって必要とされる作業を十分に行いませんでした。その結果、当該食材に付着していた菌が増殖するなどして‥」(弁当製造会社ホームページの抜粋・社長のコメント)
「食」という感じは、「食=人+良」、つまり食べることは人を良くすることと言われています。人にとって無くてはならない大切な食べ物が、健康被害をもたらされたことは、どんな理由があろうとも許されることではありません。
営業でいろいろな企業様に行かせていただくのですが、「(就労の事業所で)衛生管理はきちんと守られるのですか?」と疑念を伝えてくださる方もおられます。前述の駅弁製造会社のことが起これば、なおさらのご指摘です。飲食に携わる私たちに向けられる目は厳しくなります。
私たちはHACCPを厳格に順守することはもちろんですが、弁当製造に従事する人の衛生意識とその実践がもっとも重要です。衛生に関する意識だけでは不十分であり、日常のルールを守ったり実践したりすることができる方に調理業務をお願いしております(以下、「調理業務の要件」をご参照ください)。また、私たちの調理場はオープンです。ご来店される皆様から見渡すことができ、常に厳しい目にさらされており、高度に衛生意識を維持する一助につながっています。
とは言いましても、食品衛生管理に終わりはありません。いま行っているチェック方法も漫然と行っていては、意味のないものになります。常にリスクが存在しているという意識を持ち続ける、うららかな風のみんながどんな時でも強い思いで実践し続けることが大切なのです。
そう、食品衛生においても、ワンチーム!
<ご利用者様の調理業務の要件>
①清潔な身だしなみや衛生管理を遵守することができる
②職員の指示を適確に実行することができる
③欠席や早退・遅刻がなく、休まず利用している
④きちんと報連相ができるコミュニケーション力がある
⑤調理業務を行いたいという意欲がある
⑥調理業務以外の業務も率先して行うことができる