艱難汝を玉にす

 未明から雷鳴とともに、梅雨末期のような激しい雨が断続的に降り続き、大きな災害に繋がらないようにと祈りたいほどでした。しかし、午後からは一転、久々の太陽は青空を引き連れて姿を現しました。気温は高くはなりませんでしたが、日差しの強さはもう冬ではなく、春の熱量を感じました。昨日は広島地方気象台から桜の開花宣言が発表されました。長雨の中でも草木たちはしっかりと春を感じ取り、花を咲かせようとしています。

 先週、消防訓練、避難確保計画に基づく訓練を実施しました。火災があった時の初期行動は「消火活動」です。利用者様からは「逃げる」と仰る方もいましたが、できるならばボヤの段階で消火することが極めて重要ですよね。ただし消火器の場合、天井の高さまで火が達していれば消火活動は諦めてください。同時並行で、消防への通報、避難を行うことができれば最善です。常日頃から「火事が起きたら‥」を想定し話し合っておきましょう。

 避難確保訓練においては、ハザードマップでどのリスクがあるのかを把握することからはじまります。うららかな風は、洪水、高潮・津波のリスクがある地域です。いずれも高所への避難が求められます。時間的に余裕があるのであれば、指定している避難所(水呑小学校)へ、津波など緊迫している場合は近くの高所(高台や高層ビルなど)へ一時的に避難します。警戒レベルは5段階。うららかな風では、警戒レベル3の「高齢者等避難」で避難場所へ移動します。利用者様の身体状況、移動手段は路面の状況なども留意する必要がありますが、基本的には車両、状況により歩ける人は徒歩で移動することになります。警戒されてこなかった能登地方にも巨大地震が発生しました。私たちが暮らす地域が100%安全であるという保証はありません。100年周期の南海トラフ地震は、いつ発生してもおかしくありません。明日、いえ今日、発生するかもしれません。他人事ではなく、私事として備えをしておきましょう。

 大谷翔平選手は近しい通訳者が原因のトラブルに見舞われています。自身の責ではない不運や不幸が降りかかってくることは、有名人に限らず誰もが一つや二つは経験することだと思います。その時にどう考え、どう対処していくかが、その後の人生を左右してしまいます。松下幸之助は不遇の時代を経て運命を切りひらいた人です。

「悲運と思われる時でも、決して悲観し、絶望してはいけない。その日その日を必死になって生き抜くことが大事。そのうち、きっと思いもしない道がひらけてくる」。

 「すべてを善意に考える。すべてを修行と考える。そこから必ず道が開ける」。

 この困難を乗り越えた時、そのプレー、その行動、その言葉は、これまで以上に私たちに共感を与え、魅了してくれることでしょう!