空を飛べるはず!
「すごく体調もいい。苦手だった朝も起きれるようになった。」
ある利用者様の言葉です。続けて、「今月は今のところ皆勤。絶対に休みません。」と笑顔で力強く話してくれました。うららかな風の利用を開始して2ヶ月。利用開始当初は、朝が苦手ということもあり、午後の利用からスタートしました。休まず利用することができたため、2週間後には月~金曜日の終日利用へ変更。それでも欠席なく、今のところ皆勤です。すごすぎます。一般就労を目指されていますが、半年後にはその目標も成就できると私たちは考えています。卒業を目標に一日一日を有意義に過ごしていきましょう。
中国新聞で面白いコラム記事を読みました。恥ずかしながら初めて知ったのですが、ライト兄弟の初飛行よりも早く空を飛んだ日本人がいたそうです。その名は、岡山県玉野市出身の表具師・浮田幸吉。空を飛ぶ鳥に興味を持ち、鳥が空を飛ぶメカニズムを熱心に研究したそうです。
「人間が鳥の羽に相当する翼をつければ、人間も鳥と同じように空を飛べるはずである」
表具師らしく竹を骨組みにした翼を作り、岡山城近くの京橋の欄干から飛び上がりました。風にのって数メートル飛んで落下。長くは飛べませんでしたが、ライト兄弟よりも118年も早く挑戦したのです!
残念なのはこれから。幸吉の挑戦は町民の騒ぎとなり、直ぐに取り押さえられ、藩主・池田治政により岡山所払いを命じられたのでした。コラムには、『幸吉のようなとっぴな行動を異質と断じ、遠ざけようとする性分は今も同じように思える』。
アップルの創業者・スティーブ・ジョブズ氏が日本で生まれていたならiPhoneを生みだすことができたか―――
もし幸吉の時代に岡山藩や幕府がその技術を推進する方向に導いていたなら、飛行機の歴史がまるっきり変わっていたかもしれません。日本が目指すべきは多様性社会。過去は変えることはできませんが、これからは特異な能力を受け入れていくことが、日本の衰退を食い止めるカギになるかもしれません。