母の手にふれ‥
昨日は「母の日」でした。進学や就職で兄や私は早くから家を出ており、また病気を患っていた父は若くして他界しましたので、母は長く独り暮らしをしておりました。その母ですが、今年の正月に救急搬送され入院、一時は危ない時期もありましたが命を繋ぎとめることができました。ただ自力での排尿が難しく管につながれた状態、元来の膝痛もあってか足腰は弱り車いすでの生活となりました。医師からは「自力での歩行は困難。回復は難しい」と言われましたが、「家に帰る」と一点張り。途方に暮れた時もありましたが、最終的に一人暮らしは断念せざるを得ず(本人は決して納得しませんでしたが)、退院と同時に施設に入居してもらうことになりました。
(さぞ家に帰りたかったでしょうに…本当にごめんなさい)
高齢になると病気や怪我が引き金となって、今までの生活が一変します。買い物にも出かけられません。食事を作ることもできません。お風呂にも、トイレにすら行くこともできなくなります。母の残された時間を考えれば、私たち家族とともに暮らすことが幸せなのでしょう。しかし、それを叶えてあげることができず、薄情な息子であることをお許しください。
先週末、かかりつけ医の定期受診に付き添いました。手を擦っていると、私が小さかった時に手を握ってくれた若かりし日の母の姿が頭をかすめ、育ててくれたことに感謝せずにはいられませんでした。「一期一会」とは言いますが、父や母とは、もっともっと強い縁で結ばれております。後どれくらい時間が残されているか分かりませんが、母が私に注いでくれたたくさんの愛情のお返しをする番です。
「お母さん、ありがとう」。今日はその言葉を届けます。
皆さんはどんな母の日を過ごされましたか?