枝葉ではなく、根を伸ばし広げよう

それにしても暑かった~。日差しが強くで肌に刺さりましたね。
私は弁当作りだけでなく、弁当の配達も担当しています。配達は利用者さんと一緒に車で回っていますが、私の担当エリアは、沼隈半島を一周する長距離コース。少しでも気を緩めると、配達時間をオーバーしてしまいます。だから、車から降りたらダッシュ、降りたらダッシュの繰り返し。この暑さもあり汗だくです。
今日の同行者の利用者さんは知的障がいを持つ女性。きちんと挨拶もできるし、感謝も伝えることができるし、心も純心で、いつも笑顔、お客様からも優しく温かい声をかけて貰えます。差別的な視線を送られることもありますが、近寄って来られ手を握ってくださる方もいらっしゃるんです。そんな場面を見ると、心がジーンとします(涙)
配達を終えた車内では彼女の好きな曲をかけてあげて、一緒に歌うのが日課なんです。ちなみに曲名は、「帰って来いよ」。昭和の歌ですから、ご存じない方も多いのでは…。
こんな毎日を送っています。もちろんトラブルもありますが、それを差し引いても、私は幸せ者。とびきりの幸せ者だと思っています。
【うららかなコラム】
沼隈のぶどう農家様から、今年もお弁当のご注文を頂戴し、毎日お届けしております。今日はそのぶどうの話です。
ぶどうは、つる性の植物でほっておけば枝葉は大きく広がり数年で三階建てのビルを越えるほど大きくなります。広がった枝葉にはたくさんの房がなり、一本の樹から百房以上もなることもあります。ただし、そのような樹は、環境の変化に弱く少しの日照りで枯れたり雨が続くと病気になったりして、樹齢も四十年を越えることはないということです。しかも収穫した実でワインを作っても深い味わいにならないそうです。
その一方で、手をかけて育てきちんと剪定し、制限して育てたぶどうの樹はいつしか枝葉を伸ばすのをやめて活力のほとんどが根に向かうようになります。根が地下百メートル近く伸びることもあり、干ばつがあっても枯れることはなく、樹齢も百年を超えることも珍しくありません。できる房も、数十房と多くはないものの実は凝縮した味わいがあり、芳醇なワインになります。
そんな話を聞くと、私たちも枝葉を伸ばすことばかり考えず、しっかりとした根を伸ばし、広げることが人間性を上げることにつながると思いました。