日本精神が難局を打開する

今日の弁当の配達は誰からも愛される個性をお持ちの利用者様。彼女が「いつもありがとうございます」と弁当をお渡しすると、その会社にいる皆さんの顔に笑みがこぼれます。そして帰る際、彼女は「いつまでも元気でいてくださいね」と皆さんを気遣う言葉を伝えてくれるんです。彼女が愛されるのは、心からの感謝の気持ちが伝わってくるからです。彼女と弁当配達すると初心を取り戻すことができるんです。私から「いつもお客様に心からの感謝を伝えてくれて、ありがとうございます!」

政治家の裏金問題、ダイハツの不正認証、ビッグモーターの保険不正請求、ジャニーズの性加害、日本大学の違法薬物事件‥不正、不祥事が後を絶ちません。日本はどうしてそんな国になってしまったのでしょうか。情けない限りです。かつての日本はこれほどお粗末な国ではなかったはずです。

敗戦の翌日、パナソニック創業者の故・松下幸之助氏は職員に向かってこう話をしました。

「ここ当分、次々と予想もできない困難な事態に逢着(=遭遇)もしよう。しかしこれを快刀乱麻を断つ如くさばいて、結末を与えていく基礎は、やはり真の日本精神である。しからば日本精神とはいかなるものか。日本精神とはつまるところ至誠、誠を全うする心である‥(中略)‥日本精神を体得すればいかなる難問題に直面しようともこれを打開する方法が生まれ、万事が自ずから成就し、成功するものである。この精神の消長は国家の隆替に密接な関係を有し、日本精神が国民に保持されている時は必ず繁栄したのである」

第二次世界大戦の終戦翌日に、このような話をする松下氏は並の経営者ではありませんね。現在の日本の凋落ぶりは、松下氏のいう日本の精神である「至誠」(この上なく誠実であること)を失ってしまったからだと私は思います。かつて日本は世界を席巻する経済大国でした。自給率も低い、資源も少ない、小さな島国の日本が、欧米の資本主義に倣い経済発展を第一義に追い求めました。

そして、その結末は‥

いまの日本を見れば何を大切にしなければならなかったのか、みなさんも良くお分かりでしょう。至誠を失い利益ばかりを追いかける時代はそろそろ仕舞いにして、かつての日本人が持っていたアイデンティを取り戻す方向にシフトして欲しいと切に願っています。